1 日時
2024年10月28日
2 講師
医療ジャーナリスト(元日経ヘルスケア編集長) 千田敏之氏
3 会場
中央支部日本橋事務所(ハイブリッド開催)
4 参加人数
リアル11名、リモート22名
5 概要・所感
10月例会では、医療ジャーナリストの千田敏之氏より「8年目を迎えた地域医療連携推進法人」をテーマにご講演をいただいた。地域医療連携推進法人制度が発足するようになった背景として、人口構造の変化や関連する医療制度について概説された後、地域医療連携推進法人制度、地域医療連携推進法人の意義、課題、取材事例を中心に解説いただいた。
地域医療連携推進法人制度発足の背景では、2040年、2050年を見据えた、全国、地域別の人口構造の変化予測、これに伴う疾患別、入院・外来別の医療需要の変化予測、病院・診療所の医師数の変化予測などが概説された。関連する医療制度では、三位一体改革(地域医療構想、医師働き方改革、医師偏在対策)、全世代型社会保障構築会議報告、かかりつけ医機能の制度化、医療DX、などの概要、進捗状況を説明いただいた。また、地域医療連携推進法人制度では、2024年4月にスタートした新類型についても紹介いただいた。
地域医療連携推進法人の意義としては、従来の「協議の場」ではまとまらない病床機能分担の議論が進められる点などが、課題では強力なリーダーシップが必要である点など、が説明された。事例では、過疎地、地方都市、都市型の分類や主導する病院の立場(公立公的、民間)による類型や、連携推進法人設立を断念したケースなども紹介され、最後に、地域医療連携推進法人成功の条件を説明いただいた。
各地域での多様な人口構造、医療需要、医療資源に則した個々の解決策を見出していく場としての地域医療連携推進法人の役割を知る貴重な機会となった。
(記:杉本整治会員)