定例会

2026年1月定例「調剤薬局の事業承継と経営改善の実践」

投稿日:

1.日時

2026年1月26日(月)19:00~21:00

2.講師

木寺メディカルサービス合同会社 代表 木寺健司 先生(会員、薬剤師・中小企業診断士)

3.会場

中央支部日本橋事務所(ハイブリッド開催)

4.参加人数

リアル:11名

リモート:28名

5.概要・所感

「調剤薬局の事業承継と経営改善の実践」をテーマに、個人薬局を事業譲渡で承継し、承継後に再生・成長へとつなげた実体験をご講演いただいた。

薬局業界における事業承継の現状について、薬局オーナーの高齢化と後継者不在により黒字でも閉店せざるを得ない事例が増加。その対策として第三者承継(M&A)が活発化しており、講師の同世代が経営者となるケースも増えているとのこと。また、調剤薬局を取り巻く経営環境について、報酬改定・薬価引下げなど収益環境は悪化し、地方における薬剤師不足は東京と比較にならないほど厳しいと指摘された。

薬局を承継した経緯について、前オーナーとは薬剤師として付き合いがあり、中小企業診断士資格の取得を契機に経営分析のお手伝いなどで関係が深化。前オーナーのご年齢や薬局の財務課題もあり、「地域の薬局を残したい」と承継を検討するに至ったとのことであった。

   承継前の薬局は門前診療所の処方箋が殆ど、薬歴が紙ベースでIT化に遅れ、在庫管理が行き届かず欠品が多い、OTC医薬品の販売未実施で売上が処方箋のみといった課題があった。サービスを拡充し「今どきの調剤薬局機能」を発揮するために、同エリアで土地を確保し移転新築することを決断。土地探しから補助金を含む資金調達検討、新店舗建設、事業譲受と新体制での店舗営業開始まで、約20か月に渡る一連の流れを披露いただいた。

承継後の経営改善施策にも言及され、例えばOTC医薬品や飲食料品販売の拡充は、利便性の高さから口コミで拡がり、処方箋なしの来店増加、新規顧客獲得と関係構築にも寄与したとのこと。在庫管理の最適化やIT化とデジタル活用などの施策も連動して地域での評価を高め、財務や職員の待遇改善にも成功された。

   ほかにも、事業価値算定の実際や事業承継・引継ぎ支援センターの具体的な活用場面、事業譲渡契約の留意点、行政手続きの遅れが職員との信頼関係に影響したことなど、事業承継の実際についてご教示をいただいた。

今回の講演は、「調剤薬局の事業承継と経営改善の実践」に関する経験者ならではの知見を共有いただく貴重な機会となった。講師に改めて御礼申し上げたい。

(記:眞田心哉会員)

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